気がつけば運動会シーズンですね。
運動会の思い出・・・・・・小学校の校庭が砂利敷きで、なのに裸足で走りまわらなきゃならんのが痛くて嫌だったことしか記憶にないです。
組体操とか地獄だったなあ(涙)
仲花SS、UPです。
花ちゃんの名前ネタです。
おそらく黄巾党の「南華仙人」から来ているんでしょうが、「こうだったらいいな」という制服の私見です。
めずらしく仲謀勝ちな話です(珍しい言うな)。おぼっちゃま育ち、ときどき天然でくっさいこと言ってればいいです。
とりとめのない話ですが、読んでくださる方は「つづきを読む」からどうぞ。
運動会の思い出・・・・・・小学校の校庭が砂利敷きで、なのに裸足で走りまわらなきゃならんのが痛くて嫌だったことしか記憶にないです。
組体操とか地獄だったなあ(涙)
仲花SS、UPです。
花ちゃんの名前ネタです。
おそらく黄巾党の「南華仙人」から来ているんでしょうが、「こうだったらいいな」という制服の私見です。
めずらしく仲謀勝ちな話です(珍しい言うな)。おぼっちゃま育ち、ときどき天然でくっさいこと言ってればいいです。
とりとめのない話ですが、読んでくださる方は「つづきを読む」からどうぞ。
「いずれの花」
ほんとうはちがう名前になるはずだったの。
お互いの子どものころの話をしていて、ふと思い出したように花がそう言ったから、なんのことかと仲謀は首をかしげた。
「名前?」
「そう、わたしの名前」
ほそい人差し指が、空にくるくると模様を描く。その動きを追って読める文字は『花』。
ただひとつの、彼女の名前だ。
「わたしの名前、かんたんでしょ?たった一文字で済んじゃうの」
「まあ確かにな」
この国でも人の名前は、だいたい一文字から二文字で成り立っている。姓との兼ね合いを考えて美しく縁起のいい字を選び、過去の偉人からもらったり、ときには占いに頼ったりして、この子に幸あれと祈りをこめる。
『花』の文字は、女性の名として使われることはめずらしくないものの、それにしても『花』だけ、というのはなんともさびしく、いままで他に聞いたことはない。
しかも花のいた世界では、六つ七つの子どもが習って覚えるたぐいの字であるらしい。おそらく国の誰もが書ける、初歩の文字。おかげで幼いころから名前の書きとりはまちがわなかったけど、と花は肩をすくめた。
「でも、友だちはみんなもっと複雑な文字を使って、かわいい響きの名前ばかりだったから、うらやましかったな」
もういちど、空に『花』の文字を書いて、その指をあごに当てる。
「だから、むかし聞いてみたの。どうしてわたしの名前を『花』にしたのかって」
たずねたのは母親。おさない娘の質問に、彼女は意味ありげに笑って答えたという。「花は花でも、ほんとはちょっとちがう名前にするはずだったのよ」と。
「わたしがお腹のなかにいるとき、女の子なら、産まれた季節に咲く、なにかの花の名前にしようと思ったんだって」
なるほど、と仲謀はうなずいた。それなら、こちらの世界でもよくある話だ。春夏秋冬それぞれの季節のいろどり、その美しさ愛らしさを我が娘にと願う親心は、どこでも同じであるらしい。
「それが、いざわたしが産まれてみたら、どの花にしようか迷っちゃったらしくて」
夫婦ふたりで植物図鑑と首っぴき、赤子を前にウンウンうなったというから、想像するとなかなか面白い。思わず噴き出すと、だよねえと花も笑った。
「それで、迷ったあげくに『花』だけなのか?」
「んー、うん、そうでもあるし、そうじゃないような感じ?」
「俺に聞いてどうする」
「だからね、ひとつの花を選べなかったから、もう全部の花の名前にしちゃえって思ったんだって」
花。
その言葉を聞いて、人が思い浮かべる、すべての花の名前を娘に。
その人が心にいだく、もっとも美しい花の加護を娘に。
その美しい花をたいせつに想うように、この名前を呼ぶ誰もが彼女を愛しますように。
だからあなたは、梅であり桜であり、菖蒲であり梨であり、蓮であり牡丹であり、菊であり椿である。母親は、そう結んだという。
「そう考えると、すごくぜいたくな名前を付けられちゃったんだよね」
ちょっと分不相応だよね、と照れながら笑う花。
義父母にあたるひとたちの愛情と機転に深く感動しつつ、仲謀は思った。コイツが、なんだかやたらと男どもの気を惹くのは、そういう由来があったせいかよ!
現在も続く苦労に思いをはせて、かるく額を押さえる仲謀の袖を、ちょいちょいと可憐な指が引っぱった。
「ね、仲謀は、なんの花を思いつくの?」
問われて、仲謀は考えこむ。
いざ花を思い浮かべてみろと言われても、舞のほかに風流ごとにはとんと疎いし、庭の木々にもとくに目を留めたことはない。傷に効く薬草やら、いざというときに食べられる野草なら覚えているが、咲いた花には効果はないし食えないからなあ、と、かなり無粋なことを内心でつぶやいた。
そうしてしばらく黙りこくって、花が不思議そうにぱちぱちと瞬きをしたとき、仲謀はようやく端正な唇をひらいた。
「お前だな」
「はい?」
「だから、『花』って聞いたら、お前しか考えつかない」
たぶん、とりどりに咲くどんな花を見ても、お前の顔が思い浮かぶだろう。
思いつくまま正直に答えて、自分の結論に満足してうなずいていると、なぜか花は目を見開いてカチンと固まり、あっというまに顔を真っ赤にしてしまった。
これはどうしたことだろうといぶかしがる仲謀の前で、花は上気した耳を両手ではさんで下を向き、ぎこちなくうめく。
「・・・・・・なんか、すごく恥ずかしいよその答え」
「はあ?」
どこがだよと眉をひそめつつ、みごとに熟れた頬がかわいくて、いじらしくて、仲謀はつまんで引っぱるために指を伸ばしながら思った。
いまなら「俺が好きな花は桃だ」と答えるだろう、と。
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