ラブコレに気を取られてさっぱり忘れてましたが、世の中はバレンタインデイの時期なのですね。
長崎ランタンフェスティバルのほうをチェックしてたよ!うっかり!
こんなラヴいイベントを忘れるとか、ノーマルカップル押しの二次小説書きにあるまじき感覚です。らぶいちゃな話が書けないわけです。納得。
しかし、それでは世の中のニーズに応えられんということで、ちょっと修行してみました。
ベタないちゃいちゃネタです。チョコレートは出てきませんが、バレ日のふたりということで。
ごらんいただける方は「つづきを読む」からどうぞ!
今晩から東京に向け出発です。
雪が降りませんように・・・!
長崎ランタンフェスティバルのほうをチェックしてたよ!うっかり!
こんなラヴいイベントを忘れるとか、ノーマルカップル押しの二次小説書きにあるまじき感覚です。らぶいちゃな話が書けないわけです。納得。
しかし、それでは世の中のニーズに応えられんということで、ちょっと修行してみました。
ベタないちゃいちゃネタです。チョコレートは出てきませんが、バレ日のふたりということで。
ごらんいただける方は「つづきを読む」からどうぞ!
今晩から東京に向け出発です。
雪が降りませんように・・・!
「あまいものひとつ」
この世界では、カカオ豆ってどこで採れるんだろう?
(まあ、採れたとしても、うまくお菓子にできる自信なんてないんだけど)
とりあえず近所の山に生えているということはなさそうだったので、早々にあきらめて、おとなしくアズキをゆでた。
いつもより甘めのアンコを作って、蒸したもち米をあらくつぶしたものを中に入れてまるく形をととのえる。
できた。おはぎ。我ながら、なかなかおいしい・・・・・・バレンタインに作るものではないと激しく思うけど。
とにかく心はこれでもかどばかりに込めてあるので、玄米茶を添えて(これも・・・・・・なんだかアレだ)できたてを持っていこうとすると、余ったアンコをおいしそうに食べていた大喬さんと小喬さんに、ちょっと待ってと引きとめられた。
「それじゃ面白くないよ」
「そうだよ、フツーにおやつの差し入れだよ」
「特別な贈りものなんでしょ?ここは、渡しかたにも工夫が必要だよね~」
「そうそう、仲謀が喜びそうなやつね~」
こうやってああやってと耳打ちされて、マジですかムリですできません、いやいや女は度胸だよがんばれ花ちゃん、とひとしきり騒いだあとで、私は仲謀の執務室をおとずれた。
「仲謀、お茶を持ってきたよ」
「おう」
絵にかいたような金髪美形、そんな私の旦那さまは、今日も元気にお仕事まみれ。
山と積まれた竹簡・木簡には、これまたびっしりと難しい漢字ばかりが書かれてあって、内容のわからない私でも見ているだけでうんざりしてくる。まして、これらぜんぶに目を通し、返事を書かなければならない仲謀のストレスは・・・・・・ああ、目の下にクマ。背景がどんよりしてる。王子さま度が3割減だ。
「今日もいそがしいんだねえ・・・・・・」
「まあな。これでもだいぶ減ったぞ、さいきん、詰めっきりで事務仕事を片付けてるからな」
かたまった腕を伸ばし、肩を回しながら立ち上がる仲謀を横目に、私はいつものようにちいさな卓にお茶とお菓子を置き、長椅子の端に腰かけた。
この休けい用の卓と長椅子は、ごく最近まで仲謀の執務室には無かったものだ。私が仲謀の奥さんになって、こうしておやつとかお昼ごはんを差し入れするようになったので、誰かが気を利かせて準備してくれたらしい。
それはとてもうれしい・・・・・・でも、長椅子の大きさが問題というか、ふたりいっしょに座るのがせいいっぱいな面積なのは、正直どうなんだろうと思う。仲謀は「いい仕事だ」って満足そうに言ったけれど。
とにかく、その微妙な長椅子に仲謀も座って、ふたりでお茶を飲む。
いつもは彼の好きな温めの緑茶をいれる私が、今日は香ばしくて熱いお茶を用意したので、仲謀はかすかに眉をしかめた。
「ちょっと熱い」
「あ、ごめん。今日はこっちのお茶のほうが、お菓子に合うと思って」
「この黒いのか?なんだこれ」
「私の国のお菓子だよ。中にもち米が入ってるの」
へえ、と興味深そうにおはぎをつまもうとした仲謀の長い指を、とっさに自分の手で押さえる。
その動きが、我ながらどうにもせっぱつまっていたので、挙動不審だよねとちょっと冷や汗をかいていると、あんのじょう、仲謀の青い目が不可解そうに細められた。
「なんだよ、食ったらダメなのか?」
「え、あ、いや、そんなことはなくて。けっこう上手にできたから、ぜひ食べてほしいんだけど」
「なら、この手はどういうことだ」
「ええと・・・・・・それはね・・・・・・」
もにょもにょと言葉をにごしながら、私は『女は度胸』と頭のなかで繰りかえす。
うん、やってみよう。かなり恥ずかしいけれど、今日は特別だから。
「ちょっとごめんね」
「は?」
仲謀の手の下からおはぎをひとつ取って、指先でつまむ。
そのまま腕を伸ばして、仲謀の顔の前までおはぎを持っていくと、私は心を決めて宣言した。
「その、ええと・・・・・・どうぞ!」
「・・・・・・」
きれいな夕闇色の瞳が、まんまるになって凍りついた。
こっぱずかしい!と逃げ出したくなりながら、私は再度チャレンジ。
「あ、あーん・・・・・・とか・・・・・・だ、ダメ?」
「・・・・・・・・・」
口までぽかっと丸く開いた。
「・・・・・・・・・」
「ち、仲謀、なにか!なにか反応してよ!」
スルーはやめて!せめてツッコミを!失笑でもいいから!
ノーリアクションが非常にツライ。すべりまくった芸人みたいだ。
おはぎを差し出したままのマヌケなポーズで私が泣きそうになっていると、開いたままだった仲謀の口が、ゆっくりと、おもむろに近づいてきた。
そして『補食』としか言いようのない勢いでパックリとおはぎをくわえたかと思うと、ものすごい速度で噛みくだき、ひといきに飲みこんでしまう。
そんなに美味しくなかったのかな、甘すぎたのかな、とぼんやり思っているうちに、気がつけば、端っこにアンコがついた端正な唇が、すぐ目の前に迫っていた。
「お前なあ・・・・・・!」
こんな何も出来ねえところで、こういうかわいいことをするんじゃねえ!ズルイぞ!
怒ってるのか困ってるのか喜んでいるのか、ふしぎな低い声音が私の鼻先をかすめて、アンコのかけらごと舌の内側に押しこまれる。
ああ、やっぱり甘すぎた。喉の奥まで、とろけるよう。
しばらくして、ようやく唇を離した仲謀が、残念そうにため息をついた。
「・・・・・・今日は、早めに仕事切り上げて、部屋に戻るからな」
「うん」
「菓子は、その、美味かったぞ」
「そ、そっか、よかった、仲謀の口に合って」
「合わねえわけがねえだろうが」
うっすらと赤い顔で、ぶっきらぼうにそう言って・・・・・・ふと、仲謀は天井をあおいだ。
そしてひと言、
「この長椅子、もっと大きめのやつに取り替えねえとな」
・・・・・・なんだかすごく不穏なことを聞いたような気がするけど、いまは考えないでおこう。
こっちを向いて小さく笑った仲謀のまなざしが、とても優しかったから、今日も私は幸せだった。
この世界では、カカオ豆ってどこで採れるんだろう?
(まあ、採れたとしても、うまくお菓子にできる自信なんてないんだけど)
とりあえず近所の山に生えているということはなさそうだったので、早々にあきらめて、おとなしくアズキをゆでた。
いつもより甘めのアンコを作って、蒸したもち米をあらくつぶしたものを中に入れてまるく形をととのえる。
できた。おはぎ。我ながら、なかなかおいしい・・・・・・バレンタインに作るものではないと激しく思うけど。
とにかく心はこれでもかどばかりに込めてあるので、玄米茶を添えて(これも・・・・・・なんだかアレだ)できたてを持っていこうとすると、余ったアンコをおいしそうに食べていた大喬さんと小喬さんに、ちょっと待ってと引きとめられた。
「それじゃ面白くないよ」
「そうだよ、フツーにおやつの差し入れだよ」
「特別な贈りものなんでしょ?ここは、渡しかたにも工夫が必要だよね~」
「そうそう、仲謀が喜びそうなやつね~」
こうやってああやってと耳打ちされて、マジですかムリですできません、いやいや女は度胸だよがんばれ花ちゃん、とひとしきり騒いだあとで、私は仲謀の執務室をおとずれた。
「仲謀、お茶を持ってきたよ」
「おう」
絵にかいたような金髪美形、そんな私の旦那さまは、今日も元気にお仕事まみれ。
山と積まれた竹簡・木簡には、これまたびっしりと難しい漢字ばかりが書かれてあって、内容のわからない私でも見ているだけでうんざりしてくる。まして、これらぜんぶに目を通し、返事を書かなければならない仲謀のストレスは・・・・・・ああ、目の下にクマ。背景がどんよりしてる。王子さま度が3割減だ。
「今日もいそがしいんだねえ・・・・・・」
「まあな。これでもだいぶ減ったぞ、さいきん、詰めっきりで事務仕事を片付けてるからな」
かたまった腕を伸ばし、肩を回しながら立ち上がる仲謀を横目に、私はいつものようにちいさな卓にお茶とお菓子を置き、長椅子の端に腰かけた。
この休けい用の卓と長椅子は、ごく最近まで仲謀の執務室には無かったものだ。私が仲謀の奥さんになって、こうしておやつとかお昼ごはんを差し入れするようになったので、誰かが気を利かせて準備してくれたらしい。
それはとてもうれしい・・・・・・でも、長椅子の大きさが問題というか、ふたりいっしょに座るのがせいいっぱいな面積なのは、正直どうなんだろうと思う。仲謀は「いい仕事だ」って満足そうに言ったけれど。
とにかく、その微妙な長椅子に仲謀も座って、ふたりでお茶を飲む。
いつもは彼の好きな温めの緑茶をいれる私が、今日は香ばしくて熱いお茶を用意したので、仲謀はかすかに眉をしかめた。
「ちょっと熱い」
「あ、ごめん。今日はこっちのお茶のほうが、お菓子に合うと思って」
「この黒いのか?なんだこれ」
「私の国のお菓子だよ。中にもち米が入ってるの」
へえ、と興味深そうにおはぎをつまもうとした仲謀の長い指を、とっさに自分の手で押さえる。
その動きが、我ながらどうにもせっぱつまっていたので、挙動不審だよねとちょっと冷や汗をかいていると、あんのじょう、仲謀の青い目が不可解そうに細められた。
「なんだよ、食ったらダメなのか?」
「え、あ、いや、そんなことはなくて。けっこう上手にできたから、ぜひ食べてほしいんだけど」
「なら、この手はどういうことだ」
「ええと・・・・・・それはね・・・・・・」
もにょもにょと言葉をにごしながら、私は『女は度胸』と頭のなかで繰りかえす。
うん、やってみよう。かなり恥ずかしいけれど、今日は特別だから。
「ちょっとごめんね」
「は?」
仲謀の手の下からおはぎをひとつ取って、指先でつまむ。
そのまま腕を伸ばして、仲謀の顔の前までおはぎを持っていくと、私は心を決めて宣言した。
「その、ええと・・・・・・どうぞ!」
「・・・・・・」
きれいな夕闇色の瞳が、まんまるになって凍りついた。
こっぱずかしい!と逃げ出したくなりながら、私は再度チャレンジ。
「あ、あーん・・・・・・とか・・・・・・だ、ダメ?」
「・・・・・・・・・」
口までぽかっと丸く開いた。
「・・・・・・・・・」
「ち、仲謀、なにか!なにか反応してよ!」
スルーはやめて!せめてツッコミを!失笑でもいいから!
ノーリアクションが非常にツライ。すべりまくった芸人みたいだ。
おはぎを差し出したままのマヌケなポーズで私が泣きそうになっていると、開いたままだった仲謀の口が、ゆっくりと、おもむろに近づいてきた。
そして『補食』としか言いようのない勢いでパックリとおはぎをくわえたかと思うと、ものすごい速度で噛みくだき、ひといきに飲みこんでしまう。
そんなに美味しくなかったのかな、甘すぎたのかな、とぼんやり思っているうちに、気がつけば、端っこにアンコがついた端正な唇が、すぐ目の前に迫っていた。
「お前なあ・・・・・・!」
こんな何も出来ねえところで、こういうかわいいことをするんじゃねえ!ズルイぞ!
怒ってるのか困ってるのか喜んでいるのか、ふしぎな低い声音が私の鼻先をかすめて、アンコのかけらごと舌の内側に押しこまれる。
ああ、やっぱり甘すぎた。喉の奥まで、とろけるよう。
しばらくして、ようやく唇を離した仲謀が、残念そうにため息をついた。
「・・・・・・今日は、早めに仕事切り上げて、部屋に戻るからな」
「うん」
「菓子は、その、美味かったぞ」
「そ、そっか、よかった、仲謀の口に合って」
「合わねえわけがねえだろうが」
うっすらと赤い顔で、ぶっきらぼうにそう言って・・・・・・ふと、仲謀は天井をあおいだ。
そしてひと言、
「この長椅子、もっと大きめのやつに取り替えねえとな」
・・・・・・なんだかすごく不穏なことを聞いたような気がするけど、いまは考えないでおこう。
こっちを向いて小さく笑った仲謀のまなざしが、とても優しかったから、今日も私は幸せだった。
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