せっかく仲花サイト作りましたんで、短編など。
ラブコレ用の本作りで大変!お世話に!なったイラスト担当の「裾上げズボン」さん(以下:あげさん)との会話でひろったネタより、ちょろっと書きました。
「つづきを読む」からごらん下さい。
あげさんには、今回の件で足を向けて寝られないどころかエブリナイト土下座睡眠せねばならないほどお手数おかけしました。
ありがとうあげさん、そしてこれからも面倒かけますよろしくね。
あげさん、これで糖度補完になりますかねー(笑)?
ラブコレ用の本作りで大変!お世話に!なったイラスト担当の「裾上げズボン」さん(以下:あげさん)との会話でひろったネタより、ちょろっと書きました。
「つづきを読む」からごらん下さい。
あげさんには、今回の件で足を向けて寝られないどころかエブリナイト土下座睡眠せねばならないほどお手数おかけしました。
ありがとうあげさん、そしてこれからも面倒かけますよろしくね。
あげさん、これで糖度補完になりますかねー(笑)?
「目の色を変える」
江東を統べる武門の名家・孫氏の一族は、代々、強く現れる外見的な特徴があることで知られている。
ひとつは、高貴な黄金を溶かしこんだような、うるわしい金色の髪。
もうひとつは、南国の空と海に染められたような、うつくしい青の瞳。
「仲謀の目の色、すごくきれいだね」
おもいきり上向かせたあごを、コテンと傾けて、花はにっこり笑った。
おだやかに晴れた午後の中庭は、小鳥のさえずりも伸び伸びと平和である。卓の上にひろげた竹簡の文章を、指で示しながら説明していた仲謀は、いきなり恋人からかけられた言葉に、喉元からぐぁっと変な呼吸音をもらした。
「・・・・・・なんだよいきなり」
「え、なんていうか、素直な感想?」
そう思ったから、そう言っただけなの。童女のような素直さで、花はまた笑った。
ここちよい風が通る東屋の長椅子に、ふたりは仲良く寄り添って座り、流麗な文字の記された竹簡をそろってながめていた。
奇妙な本によって異世界から飛ばされてきた(そしてついこのあいだ『こちらの世界』に結婚永住を決めた)花は、まだこちらの文字の読み書きが不十分で、自分あての書簡も介添えなしには読み解けない。ふだんは教育係である女官が手ほどきをしてくれるのだが、この日は、仕事の合間を縫って逢瀬の時間をひねり出した彼女の婚約者が、「俺様が直々に鍛えてやる」と偉そうに胸を反らせて宣言した。花としては、たまの逢引が勉強時間に充てられるのはどうなんだろうと思ったのだが、多忙な恋人が自分といっしょにいてくれることは単純に嬉しいので、不審も抱かずに従った。
じつのところ、以前から暇を見つけては花を誘おうとしたものの「花様はただいま孫家の奥方となられるためお勉強中でございますので、どうぞご遠慮ください」と老練な女官に一刀両断されること三度の仲謀が考え出した秘策であるのだが、それは花の知るところではない。
ともあれ、課題文の書かれた竹簡と携帯用の筆記具をたずさえて、ふたりは庭の一角に腰をすえた。
強気で怒りっぽい性格の仲謀だが、意外にも人に物を教えるのは嫌いではないらしく、花のたどたどしい筆づかいにも、頻繁につっかえる読解にも、投げ出すことなく根気よくつきあっている。ときどき「しょうがねえな」だの「精進しろ」だのぶっきらぼうな言葉がはさまるが、このていどの悪態ならいつものことだと花も慣れてしまっている。
(それに、目が優しいもの。ちょっとやわらかい感じの青・・・・・・)
となりにある端正な横顔をそうっと盗み見ながら、花は思う。そして正直に口を動かした。
「色が濃いから、こうして日陰にいると、黒っぽく思えるけど。ちょっと斜めからだと、群青が透き通って見えるのね」
宝石みたいできれいだね、と自分の瞳を称賛する花を、うす赤い顔で見つめながら、仲謀は胸のうちに沸いた苦さをどうしようかと迷っていた。
碧眼は孫家の特徴のひとつであるのだが、直系の子どもたちに強く出るのは、氷塊を月光に透かしたような毛月色。見る者に高貴で冷たい印象を与えるほど冴え冴えとした、うすい青なのである。
亡き父も、兄の伯符も、その色を持っていた。妹の尚香もである。だが、どうしたことか、孫文台の子どものなかで仲謀ひとりだけ、ひどく濃い色の目をして生まれた。
母の呉夫人は他家の出身であったから、そちらに似たのだろうと大人たちは問題にしなかったし、兄や妹、幼なじみの姉妹も、それを当たり前として自然に受け入れていた。けれど仲謀にしてみれば、自分だけが直系の色を持たないことが残念であったし、顔立ちも、父によく似た兄と妹にくらべ、どちらかといえば母方の系統を受け継いだため、ささやかな引け目と言うか、ひそかな劣等感を、幼いころから抱き続けてきたのである。
それでも父や兄が存命のころは、生まれつきのことだからと、さして気にせずにいられた。けれど相次いでふたりを亡くし、当主として孫家の中心に立ってみれば、自分の器量不足や未熟さを嫌でも目の当たりにしなければならなくなる。必死に努力して克服につとめてはいるものの、一朝一夕になんとかなるはずもない。うまくいかない現実にため息をつくとき、ふと鏡に映る瞳の暗さが、自分は当主にふさわしくないのではないかという弱気を呼び起こす。だから、一時期は鏡を見たくなかったこともあるのだ。
いまは当主の地位にある者として、それなりの自信をつけてはいる。外見はただの入れ物にすぎないと思う。
けれどやはり、身についた感覚はなかなか消えないものである。返事に困って視線をさまよわせる間に、花がけげんそうに笑みを消したので、仲謀は観念して口を割ることにした。
「あー・・・・・・俺は、あまり、自分の目の色が好きじゃなかったんだ」
「そうなの?」
「親父や兄貴たちとは、違ったからな。尚香の目がそんな感じだ。あれが、孫家直系の本来の色だ」
「あの色が?」
「まあ、色の系統は似たようなもんだし、たいしたことじゃないんだろうが。ガキのころは、どうして俺だけ違うんだって母上にたずねて困らせたりしたな」
何せガキだったからな、と仲謀は苦笑した。
花は何かを確かめるように、おずおずと言葉を紡ぐ。
「いまも、嫌い?」
「好きも嫌いもねえ、そんな感じだ。目の色がどうだからって、俺が見るものに違いが出るわけじゃねえしな」
近ごろはお前がやたらと誉めるから、すこしは好きになったかもしれない・・・・・・言いかけた台詞の照れくささに、仲謀は肩をすくめてプイと横を向いた。
しばらく目を伏せて何かを考えていた花が、ふいに手を伸ばし、仲謀の首筋に触れる。
ちいさな指の感触におどろいた仲謀が身体を震わせている間に、白いふたつの手が彼の頬をはさみ、強引に方向を変えさせた。
急な運動に首の骨がぐきっと不吉に鳴るのを仲謀は感じたが、目の前の花がひどく真剣に見つめてくるので、痛いと文句を言うどころではない。
「あのね、仲謀」
「お、おう」
「これ、私の大発見なんだけど・・・・・・って、私以外も知ってるかもだけど」
とにかく発見なの、と花は真顔で言った。
「仲謀の目ってね、けっこう色が変わるんだよ」
「あ?」
「明るめのライトブルー・・・・・・ええと、鮮藍色っていうのかな?になることもあるし、緑がちょっと強めな、湖みたいな青になることもあるの」
「そんなこと、はじめて言われたぞ」
「うん、すこしの間だし、よく見てないと気づかないくらいだから」
おそらく、その時々の仲謀の心境によって微妙に色合いが変わるのではないか、と花は自説を訴えて、それからぽうっと頬を染めた。
「気付いたのは、えっと、あの・・・・・・あのときに、ね」
「あのとき?」
「その・・・・・・ええと、前に仲謀と、その、さいしょに・・・・・・」
「なんだ?」
「だ、だから・・・・・・大喬さんと小喬さんに、後押しされて、その、く、口づけを、したときに」
「・・・・・・・・・・・・」
「ち、仲謀の、目が、すごく、あざやかな海の色だなあって・・・・・・」
耳まで赤くしながら言った花が、羞恥に耐えきれずパッと手のひらを離す。
しかし、逃げようとするそれをとっさに自分の手で掴んで引き戻した仲謀は、ゆっくりと、大きく息をついた。
「・・・・・・ずいぶん、余裕じゃねーか。そこまでしっかり観察してたとはな」
「なななな無いよ余裕なんて!後になって思い出したんだよ!」
花は必死に身体をよじって距離を取ろうとするが、ここでそんな都合のいい逃避を許すほど、仲謀は甘くない。顔どころか全身を赤くしてわあわあと言い訳する可愛い生き物を、しっかり腕のなかに捕まえて、仲謀はニヤリと笑った。
「訂正だ」
「え、え?なに?」
「だいぶ好きになった」
月のない夕空のような自分の目の色が、日差しに輝く海の色に塗り替わったというなら、その絵筆を執ったのはまちがいなく花だ、と仲謀は思う。あのときの自分は、いきなり降ってわいた幸運におどろき、うろたえ、そしてとほうもなく喜んでいたのだ。想う少女の唇に触れて、胸が熱くて破れそうだった。
その感情が色となって瞳にあふれ、花の記憶に焼きついた。仲謀は、身をすくめる花の額にコツンと自分の額をあわせた。
「いまは、どんな色になってるんだ?俺の目は」
「し、知らない」
「こら、こっち向け。よく見てないと気づかないんだろ?」
「見なくていいもんっ」
むくれた様子で言い返した花に、へえ、と小馬鹿にした調子で笑った仲謀は、触れあった額の角度をわずかにかたむけた。
「見なくていいなら、閉じるか?その目」
「・・・・・・っ、仲謀!」
「まあ、開けててもいいけどな」
「・・・・・・ちゅうぼうのいじわる・・・・・・」
往生際わるく抗議をする口調は幼いのに、自分をにらむ潤んだ小豆色の瞳はどこか色めいていて、仲謀はふっと引きこまれるように唇を寄せた。
勉強するふたりをねぎらうためお茶とお菓子を持ってきた侍女さんが、きっとあわてて回れ右してる(笑)。
残念ばっかりでも気の毒(に、しているのは私)なんで、ここは恋人らしく甘々に。
江東を統べる武門の名家・孫氏の一族は、代々、強く現れる外見的な特徴があることで知られている。
ひとつは、高貴な黄金を溶かしこんだような、うるわしい金色の髪。
もうひとつは、南国の空と海に染められたような、うつくしい青の瞳。
「仲謀の目の色、すごくきれいだね」
おもいきり上向かせたあごを、コテンと傾けて、花はにっこり笑った。
おだやかに晴れた午後の中庭は、小鳥のさえずりも伸び伸びと平和である。卓の上にひろげた竹簡の文章を、指で示しながら説明していた仲謀は、いきなり恋人からかけられた言葉に、喉元からぐぁっと変な呼吸音をもらした。
「・・・・・・なんだよいきなり」
「え、なんていうか、素直な感想?」
そう思ったから、そう言っただけなの。童女のような素直さで、花はまた笑った。
ここちよい風が通る東屋の長椅子に、ふたりは仲良く寄り添って座り、流麗な文字の記された竹簡をそろってながめていた。
奇妙な本によって異世界から飛ばされてきた(そしてついこのあいだ『こちらの世界』に結婚永住を決めた)花は、まだこちらの文字の読み書きが不十分で、自分あての書簡も介添えなしには読み解けない。ふだんは教育係である女官が手ほどきをしてくれるのだが、この日は、仕事の合間を縫って逢瀬の時間をひねり出した彼女の婚約者が、「俺様が直々に鍛えてやる」と偉そうに胸を反らせて宣言した。花としては、たまの逢引が勉強時間に充てられるのはどうなんだろうと思ったのだが、多忙な恋人が自分といっしょにいてくれることは単純に嬉しいので、不審も抱かずに従った。
じつのところ、以前から暇を見つけては花を誘おうとしたものの「花様はただいま孫家の奥方となられるためお勉強中でございますので、どうぞご遠慮ください」と老練な女官に一刀両断されること三度の仲謀が考え出した秘策であるのだが、それは花の知るところではない。
ともあれ、課題文の書かれた竹簡と携帯用の筆記具をたずさえて、ふたりは庭の一角に腰をすえた。
強気で怒りっぽい性格の仲謀だが、意外にも人に物を教えるのは嫌いではないらしく、花のたどたどしい筆づかいにも、頻繁につっかえる読解にも、投げ出すことなく根気よくつきあっている。ときどき「しょうがねえな」だの「精進しろ」だのぶっきらぼうな言葉がはさまるが、このていどの悪態ならいつものことだと花も慣れてしまっている。
(それに、目が優しいもの。ちょっとやわらかい感じの青・・・・・・)
となりにある端正な横顔をそうっと盗み見ながら、花は思う。そして正直に口を動かした。
「色が濃いから、こうして日陰にいると、黒っぽく思えるけど。ちょっと斜めからだと、群青が透き通って見えるのね」
宝石みたいできれいだね、と自分の瞳を称賛する花を、うす赤い顔で見つめながら、仲謀は胸のうちに沸いた苦さをどうしようかと迷っていた。
碧眼は孫家の特徴のひとつであるのだが、直系の子どもたちに強く出るのは、氷塊を月光に透かしたような毛月色。見る者に高貴で冷たい印象を与えるほど冴え冴えとした、うすい青なのである。
亡き父も、兄の伯符も、その色を持っていた。妹の尚香もである。だが、どうしたことか、孫文台の子どものなかで仲謀ひとりだけ、ひどく濃い色の目をして生まれた。
母の呉夫人は他家の出身であったから、そちらに似たのだろうと大人たちは問題にしなかったし、兄や妹、幼なじみの姉妹も、それを当たり前として自然に受け入れていた。けれど仲謀にしてみれば、自分だけが直系の色を持たないことが残念であったし、顔立ちも、父によく似た兄と妹にくらべ、どちらかといえば母方の系統を受け継いだため、ささやかな引け目と言うか、ひそかな劣等感を、幼いころから抱き続けてきたのである。
それでも父や兄が存命のころは、生まれつきのことだからと、さして気にせずにいられた。けれど相次いでふたりを亡くし、当主として孫家の中心に立ってみれば、自分の器量不足や未熟さを嫌でも目の当たりにしなければならなくなる。必死に努力して克服につとめてはいるものの、一朝一夕になんとかなるはずもない。うまくいかない現実にため息をつくとき、ふと鏡に映る瞳の暗さが、自分は当主にふさわしくないのではないかという弱気を呼び起こす。だから、一時期は鏡を見たくなかったこともあるのだ。
いまは当主の地位にある者として、それなりの自信をつけてはいる。外見はただの入れ物にすぎないと思う。
けれどやはり、身についた感覚はなかなか消えないものである。返事に困って視線をさまよわせる間に、花がけげんそうに笑みを消したので、仲謀は観念して口を割ることにした。
「あー・・・・・・俺は、あまり、自分の目の色が好きじゃなかったんだ」
「そうなの?」
「親父や兄貴たちとは、違ったからな。尚香の目がそんな感じだ。あれが、孫家直系の本来の色だ」
「あの色が?」
「まあ、色の系統は似たようなもんだし、たいしたことじゃないんだろうが。ガキのころは、どうして俺だけ違うんだって母上にたずねて困らせたりしたな」
何せガキだったからな、と仲謀は苦笑した。
花は何かを確かめるように、おずおずと言葉を紡ぐ。
「いまも、嫌い?」
「好きも嫌いもねえ、そんな感じだ。目の色がどうだからって、俺が見るものに違いが出るわけじゃねえしな」
近ごろはお前がやたらと誉めるから、すこしは好きになったかもしれない・・・・・・言いかけた台詞の照れくささに、仲謀は肩をすくめてプイと横を向いた。
しばらく目を伏せて何かを考えていた花が、ふいに手を伸ばし、仲謀の首筋に触れる。
ちいさな指の感触におどろいた仲謀が身体を震わせている間に、白いふたつの手が彼の頬をはさみ、強引に方向を変えさせた。
急な運動に首の骨がぐきっと不吉に鳴るのを仲謀は感じたが、目の前の花がひどく真剣に見つめてくるので、痛いと文句を言うどころではない。
「あのね、仲謀」
「お、おう」
「これ、私の大発見なんだけど・・・・・・って、私以外も知ってるかもだけど」
とにかく発見なの、と花は真顔で言った。
「仲謀の目ってね、けっこう色が変わるんだよ」
「あ?」
「明るめのライトブルー・・・・・・ええと、鮮藍色っていうのかな?になることもあるし、緑がちょっと強めな、湖みたいな青になることもあるの」
「そんなこと、はじめて言われたぞ」
「うん、すこしの間だし、よく見てないと気づかないくらいだから」
おそらく、その時々の仲謀の心境によって微妙に色合いが変わるのではないか、と花は自説を訴えて、それからぽうっと頬を染めた。
「気付いたのは、えっと、あの・・・・・・あのときに、ね」
「あのとき?」
「その・・・・・・ええと、前に仲謀と、その、さいしょに・・・・・・」
「なんだ?」
「だ、だから・・・・・・大喬さんと小喬さんに、後押しされて、その、く、口づけを、したときに」
「・・・・・・・・・・・・」
「ち、仲謀の、目が、すごく、あざやかな海の色だなあって・・・・・・」
耳まで赤くしながら言った花が、羞恥に耐えきれずパッと手のひらを離す。
しかし、逃げようとするそれをとっさに自分の手で掴んで引き戻した仲謀は、ゆっくりと、大きく息をついた。
「・・・・・・ずいぶん、余裕じゃねーか。そこまでしっかり観察してたとはな」
「なななな無いよ余裕なんて!後になって思い出したんだよ!」
花は必死に身体をよじって距離を取ろうとするが、ここでそんな都合のいい逃避を許すほど、仲謀は甘くない。顔どころか全身を赤くしてわあわあと言い訳する可愛い生き物を、しっかり腕のなかに捕まえて、仲謀はニヤリと笑った。
「訂正だ」
「え、え?なに?」
「だいぶ好きになった」
月のない夕空のような自分の目の色が、日差しに輝く海の色に塗り替わったというなら、その絵筆を執ったのはまちがいなく花だ、と仲謀は思う。あのときの自分は、いきなり降ってわいた幸運におどろき、うろたえ、そしてとほうもなく喜んでいたのだ。想う少女の唇に触れて、胸が熱くて破れそうだった。
その感情が色となって瞳にあふれ、花の記憶に焼きついた。仲謀は、身をすくめる花の額にコツンと自分の額をあわせた。
「いまは、どんな色になってるんだ?俺の目は」
「し、知らない」
「こら、こっち向け。よく見てないと気づかないんだろ?」
「見なくていいもんっ」
むくれた様子で言い返した花に、へえ、と小馬鹿にした調子で笑った仲謀は、触れあった額の角度をわずかにかたむけた。
「見なくていいなら、閉じるか?その目」
「・・・・・・っ、仲謀!」
「まあ、開けててもいいけどな」
「・・・・・・ちゅうぼうのいじわる・・・・・・」
往生際わるく抗議をする口調は幼いのに、自分をにらむ潤んだ小豆色の瞳はどこか色めいていて、仲謀はふっと引きこまれるように唇を寄せた。
勉強するふたりをねぎらうためお茶とお菓子を持ってきた侍女さんが、きっとあわてて回れ右してる(笑)。
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いろいろ
自己紹介:
ごくふつうの乙女ゲーマーです。
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日々ウケと笑いをねらって生きてます。
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